埼玉大学理工系人材育成事業
ハイグレード理数高校生育成プログラム(*) HiGEPS
【High-grade Global Education Program for Sciences】

理系指向の皆さん! 探究心・好奇心・研究意欲 眠っていませんか?
「知と技、そして国際性」を併せ持つ、理工系エキスパートをめざして・・・
埼玉大学が取り組む、1年間を通した理工系人材育成プログラム「HiGEPS」をご紹介します。

アドバンスドコース 理数分野において優れた基礎学力と、強い好奇心・向上心を持つ生徒の皆さんを「知と技、そして国際性」を併せ持つ理工系人材に育成することを目的とした埼玉大学特別プログラムです。高校生(中学3年生の皆さんも相談ください)を中心に受講生を募集し、埼玉大学、および連携機関が協力して、広く理工系(数学・物理・化学・生物・地学・情報・環境)分野から大学専門課程レベルのセミナーを提供します。本プログラムを通して多くの知識を習得し、外国人研究者を含む講師・留学生による科学英語セミナー、談話会などの企画を通して、グローバル力の強化を図ります。「聞くことができ、理解することができ、議論することができる」理工系人材として必要なスキルを持つ、アクティブ志向の理工系高校生を育成します。HiGEPSでは1年目の「ベーシックコース」で広く知識・スキルを習得し、選抜を経て2年目の「アドバンスドコース」にてさらに高度な教育活動として、埼玉大学が持つ研究・教育面でのポテンシャルを活用して、個別研究活動を主軸とした企画により、研究力・国際性・社会性を併せ持つ「理工系研究者の芽」を育成していきます。
 1年間にわたる埼玉大学での幅広い学問分野の学び、討論・英語を含む多彩な学習方法での学習の成果の積み重ねは、将来につながる貴重な資源としてみなさんの中に残ることと思います。HiGEPSでは年度プログラム終了後にその証として「修了証」を発行します(発行に当たっては指定条件があります)。理工系をめざす皆さんのさらなる成長のために、チャレンジの場を私たちは提供します。

HiGEPS受講生(保護者・高等学校教諭)の皆様へ

前川光昭

埼玉大学工学部長 前川光昭

 埼玉大学ハイグレード理数高校生育成プログラム”HiGEPS”を受講された皆さん、参加していかがでしたでしょうか。それぞれのコースにおいて、講師の方を始めとして外国人研究者や留学生の人たちとの交流を通して、行ってきた分野をさらに深く調べようと多くの方が思ったことと思います。
 私は、工学部の電気電子物理工学科の教育を担当しています。大学卒業以来ずっと大学に身を置いていますが、大学3年生の夏に3週間程インターンシップで、企業での実習を体験しました。そこでは、特殊な機能を持った当時ですからアナログの電話器の特性改善に携わりました。高度な音響測定機器の使い方など指導を受けながら、内部で用いられている素子のモデルの改良により特性を改善することができて、これが販売されたりするのかと感動しました。まだ見出されていない現象の発見、その機構の解明、それを応用したものを創造すること、さらにそれらを通して評価されることが人間の持つ社会的要求あるいは成長要求を満足させるものだと考えられます。今回受講したプログラムでも最後に報告書を作成したと思いますが、これで科学者の仲間入りしたことになります。今後,進路を決めることになりますが、今回参加したHiGEPSでの経験が大変役立つものと思います。そして、多くの方が理工系の分野に進学し、科学者・技術者として活躍されることを期待しています。
————————————————————————————-
(*)JSTグローバルサイエンスキャンパス後継事業(採択期間2016-2019年度)

開講講座を紹介します。

HiGEPS基礎セミナー

理学各分野(数学・物理・化学・生物・地学)に加えて、情報・環境に渡る先端科学を大学教員・外国人研究者が紹介します。難易度は大学学部専門基礎科目レベルを基準とし、一部セミナーでは実験・実習・演習を取り込み、思考力・考察力・データ取得スキル・解析力の育成も視野に入れています。また、基礎セミナーにおいては「聞いて、理解した」知識がまだ薄められない段階でのグループ討論、もしくは個人学習としてセミナー直後に15分程度のショートレビュータイムを活用しています。

イングリッシュ・シャワー

HiGEPS英語コーディネーターが講師となり、英語で科学にかかわるテーマを提案し、グループでの議論を行ない、その論点や討論のとりまとめを経て、英語での意見交換を行う企画です。

討論講師

サイエンスカフェ

大学教員や大学生・大学院生をディスカッションリーダとして、異なる高校の受講生の間での談話会を行い、「正しく討論するスキル」を育成します。

談話会

学内外理工系研究・教育施設見学

埼玉大学・連携機関の教育・研究施設の見学、科学博物館などの教育施設での研修活動を行っています。

見学

科学プレゼンテーション実習

アクティブラーニングの積極的活用を促す事を目的として各自が興味を持つ科学系テーマを明確にし、それを学び整理し深化させ、プレゼンテーションでそれを表現する企画を実施しています。その成果は1-2月にかけて口頭発表会でおこないます。

英語エッセイ実習

科学英語教育の一部として、科学に関わる小論文を英語で執筆します。英語コーディネータの協力のもとで校正をくり返し、より高い英語力の向上を図ります。

アチーブメントテスト

受講生の皆さんの学力を測る目的で、企画の中でふれた科学テーマや理科に関わる筆記問題を課します。年間2回のテストを予定しています。

課題研究(研究発表を含む)(アドバンスドコースのみ)

アドバンスドコースでは課題研究活動を中心として、埼玉大学理工系教員の指導のもと、個別研究(原則、個人研究とする)を行います。

科学系ライブラリー他

受講生の皆さんの自発的な学習を支援するため以下のような教材を用意しています。

【サイエンスライブラリー】
従来のHiGEPS企画の中から、学内外の教員・研究者による専門講義として、80本以上のセミナーを蓄積してあります。また外国人研究者による英語セミナーの映像ライブラリーや市販の科学英語ビデオ教材等もあわせて視聴できます。受講生の本学での活動時間外での学習機会として活用してください。

【教育機材の活用】
PC等の情報機器やカメラ・各種測定器などの機材の貸し出し、図書・ビデオ教材の閲覧、ポスター印刷サービスなど学習・研究に関わる各種のサービスを提供します。

HiGEPS機関誌

各年度の受講生人数・出身高校、講座内容や受講生活動等のより詳細な報告書としてHiGEPS機関誌を発行しています。

埼玉大学 理学部 理数学生育成プログラム 学習・研究